失敗談を聴いてもらう心強さよ

以前描いた絵であんま好きじゃないなー。。と思ってじーっといつも眺めていたのがとある日別のものに見えました。

。。りんごじゃあないか!!(色あいが)

ということで、貼り絵に急遽変更(変形)!

こういう何か別のものに変身したり、副産物が得られると何だか嬉しくてホクホクします。

話は少しそれるのですが、昨日伸び伸びになった髪をカットして頂きました。東京に来てからずっと同じスタイリストさんに担当して頂いています。

いつも私のぼさぼさゴワゴワな髪をきれいに整えつつ、色々と私の話を聞いてくれてその事にただただ感謝しています(ありがとうございます✨)

よく、思うのですが人の話を聴くってもの凄いテクニックがいると思うのです。如何に相手の話に耳を傾け、自分軸を失わずに返答するか(しかも美容師さんの場合、ハサミを動かしながらですよ)。あまり相手に同調しすぎてもいけないしかといって聞き流してしまうと空気の流れが一気に変わってしまう。

昨日、思わずポロッと話してしまったここ最近の失敗談があったのですが、話を聞いて頂いて、「良い失敗だった」と改めて思いました。背中を押してもらった、そんな感じです。

人はただただ聴いてもらう=自分の考えている事をリリースする事でとても軽くなる事ができるのではないかと私は思います。

私の失敗もこのりんごの様にメタモルフォーゼしますように。

アート / 空家 二人 / 語られうる物語

先日蒲田に新しくオープンしたギャラリー「アート / 空家 二人」に行ってきました。美術手帖にも掲載されていましたが面白いシステムで作品を販売しており、興味深く観賞させて頂きました。

今回、作家さんは総勢15名とかなりの人数で、作品は絵画・彫刻・映像、また、観賞者とダイレクトにコミュニケーションを取れる体験型の作品まで多岐に渡っていましたが、一軒家をまるまる使用しており、スペースに余裕を持ちながら観賞する事ができます。

さてさて、今日は出品作家の一人でもある坂本夏海さんの作品の事を書かせて頂きたいと思います。今現在スコットランドに在住の坂本さんは”魔女狩り”に紐づく歴史や女性史を題材とした作品を制作しています。インタビューや対話を通して人々が持っている体験や記憶を自分自身に沁み込ませ、過去・現在・未来と細く見えない糸で紡がれているタイムラインに漂っている物語の持つ瑞々しい映像をビデオやドローイングに投影しています。

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7月17日からオープンした「二人」という蒲田のスペースで展示に参加しています。 https://nito20.com/index.html 友人でアーティストの三木仙太郎さんが始めたギャラリーです。 毎回15名のアーティストが参加して、作品を1万円から販売し、作品が購入されると値段が上がっていくというユニークなルールで展覧会が進みます。2回以上購入されなかったらアーティストが交代するという、ゲーム感覚のような楽しさと緊張感があります・・。 今回は私は昨年スコットランドで制作をしていたシリーズの一部を出しています。 スコットランドの魔女狩りに関連する場所を旅しながらインタビューをした際の日記のようなドローイングです。また、ビュート島という場所で出会った魔女狩りについての奇妙な話からインスピレーションを受けて行ったパフォーマンスの映像も一緒に出しています。 作品の作り手でありながら、美術への向き合い方の新たな方法を試みている三木さんの活動はとても興味深くて、やりとりをしながらエネルギーをもらいました。私自身これまで作品を売ること・買うことに躊躇してあまり積極的になれないところもあったのですが、そのことにも向き合ういい機会でした。参加しているほかのアーティストの方達の作品もとても面白そうです。お部屋に飾る作品を探している方、ぜひみてみてください。 入場の際には人数制限を設けていますので混み合わずご鑑賞できるかと思いますが、どうぞ無理はされずにお願いいたします。ウェブサイトからも展示が見られます。 (この作品たちはイギリスのロックダウン中に郵送され、数ヶ月も音沙汰なく、もう無くなったかも・・と諦めかけた時に無事に到着したというドラマがありました!ロックダウンも7月現在スコットランドはかなり緩和され、少しずつ日常に戻りつつあります。) NITO01 2020年7月17日 – 8月10日 金、土、日、月、祝日のみ営業 11時 – 19時 【参加作家】 Aokid/伊阪 柊/内田 涼/UMMMI./うらあやか/久留島 咲/坂本 夏海/だつお/田中 良佑/鄭梨愛 /林 奈緒子/本間 メイ/前田 耕平/村上 慧/森山 泰地 【会場】 「アート/ 空家 二人」 東京都大田区蒲田3丁目10−17 京浜急行 梅屋敷駅 徒歩6分 京急蒲田駅 徒歩8分  JR・東急 蒲田駅 東口 徒歩13 分 ※道幅が狭いため、車でお越しの際は近くに駐車お願いいたします。 【連絡先】 letter@nito20.com 代表 三木 仙太郎 撮影 石原 新一郎 三木 仙太郎

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今回の映像は坂本さんが海に石を投げ入れている映像が映し出されています。(こちらのインタビュー記事にそのひとコマが記載されています)どうして石を投げ入れているのだろう。。?と思ったら遥か昔、魔女狩りが行われていた時代にスコットランドのビュート島という所で海に石を投げ入れた事により「嵐を呼んだ」「船を沈没させた」として魔女として告発されてしまった女性達がいるという歴史がインスピレーションとなったようです。映像の隣のドローイング達は作家自身がその土地で出会った人達との対話や感じた事が綴られています。

こんな歴史があったのかい。。!という事を知れるのは勿論だけど、今この時代を生きる私達はどれもそれらを体験する事は不可能だし歴史はいつも曖昧に物を語ります。しかし、今私達が眼にしているもの・感じるもの、そこには過去からのメッセージが散りばめられていて現在にまで継承されているものもあり、そのメッセージを通して今の私達の生活をまた違った角度から見つめ直す事ができると思うのです。

人は自分の生活が脅かされるのではないかと不安と恐怖を抱くと攻撃する。嵐が起き、船が沈没した理由、それは眼に見えないものだから眼に見える何か、にフォーカスが当たってしまった歴史とも言えるのかな、とも思いました。それは現行で起きている情勢とも似ている所があって、眼に見えないウイルスを攻撃するより、人を攻撃するニュース等が飛び交う度に憂鬱になる事が多いです。自然のものであるウイルスを攻撃。。って言い回しもおかしいんですけどね。

でもこうして石を海に投げ入れても捕まらない現代(少なくとも捕まった事がないワシは浜っこです。干あがったわかめを食べて注意されたことはあったけど。。)になっているということは大きな時代の流れの中に少なくとも人々の意識の変容があったという事です。

私はその点でこの作品から見える過去と現在を結んでいる分厚いページの中で何がきっかけで意識がシフトしていったのか?という事にも興味を持ちました。でもおそらくそれは指をパチン、とさせれば切り替わる歴史ではなくて教科書には載っていない語られることのない誰かの小さな行動が物語を生み出しその波紋を呼んだのかもしれません。

「自分のこの言葉や行動が何になるんだろう」と思う事があります。でも、誰か一人が意識を変える事によって伝染していくグッドバイブレーションというのは存在しうるのだと信じていきたいです。そういった意味ではこのギャラリーの新しい試みも応援したいと思いますし、皆が色んな角度から思考を動かしてアートを楽しめる場が出来て言ったら良いなと思います。そしてここでは書けませんでしたが、面白い作品を出品されている素敵な作家さん達が沢山いらっしゃいました!

この作品はどうやって販売するんだろう。。と考えるものもあります。今は少し現地に脚を伸ばすのが難しい時期でもありますが、体験できる方は現場で体験してみてください。また、WEBでも写真で作品が閲覧出来るみたいです。

NITO01
2020年7月17日から8月10日(11~19時)
アート/空家二人
東京都大田区蒲田3-10-17
火・水・木曜休館
観覧無料
HP: https://nito20.com/ 

アートと味噌汁の関係

私は密かに味噌汁とアートの存在はイコールと言えるんじゃないかと勝手に仮説を立てている。

味噌汁は日本人のソウルフードであり大昔から飲まれていて、一日の食卓に無ければならないものの様な存在感を放っている。

味噌汁はあの小さなお椀の中に豊富な栄養素を詰め込んで夏バテも防止しうる、おまけに土井義晴先生も一汁一菜やお味噌汁について話しているときた。(すみません、土井先生リスペクトなもので。。(照))

たまに味噌汁を丸一日飲まない日があるけどそんな日は何故かいつも調子が上がらないし、余計なお菓子をもりもり食べてしまう事がある。でも、味噌汁を一日に2~3杯飲むようになると何故か満足感が得られてお菓子の量が減った経験がある。

そう、全体的に調子を整えてくれて腹の底からその日のパワーを底上げしてくれる感覚があるのです。

で、何でアートとイコールなのかというと、アートも日常に無くてはならない存在だと思っているからです。味噌汁を飲まないと腹に力が入らない、アートに触れないと腹に力が入らない。力が入らないというか、なんだか日々がパッとしない。。(個人的所感)

味噌汁を作る工程も作品作りの工程に似ていると思う。昆布や鰹節、いりこを使って大きな鍋に出汁を取る。この出汁の存在は作家の持っているアイデアや制作の動機などにあたる。そしてその豊穣のアイデアの海の中に無数の野菜や時には魚や肉をぶっこむ。素材の切り刻みかたはどんな作品(味噌汁)のイメージを描いているかによって変化する。短冊切りなのか、半月切りなのか、それともいちょう切りか?

そしてくつくつと煮て(もくもくと作業し)、灰汁を取り除いたりし(余計な所をカットし)、ころあいをみてお味噌をとく。

それだと、煮ものだとか他の料理でも言えるんじゃないの?という声もあがってくるかと思うのですが、決め手はお味噌です。ゆっくりと時間をかけて発酵させた味噌がお鍋の中に注ぎこまれていくように、作品の中にその作家の熟成発酵された””が注ぎこまれていくのです!

このお味噌がないと輪郭がぼやけたただのスープ(作品)になってしまうが故に、あまり心に残らないものとなってしまう。

”愛”という言葉を使うのにいささか抵抗があって思わず声が小さくなってしまうのだけど。。(もごもご)ここは声を大にして言おう。出汁取る以上に熟成された並々ならぬが投入されるのです!ぱふぱふ

そしてここで述べているアートとは勿論、絵や彫刻や人の手を介して作られる作品の事も述べていますが、掃除や料理、洗濯のたたみかたやコピーの取り方に至る日常の行為までもアート作品を作る行為とみなして話しています。やはりどんな行為にもお味噌の様なあげまん的な、松岡修造的な愛というスパイスが入っているとなんだか心がほわーんとなるのです。

だから、毎日必要。

一日に一回はそういった物に触れると元気が出ますよね。

という仮説を妄想している今日この頃でした。今日はお味噌汁食べましたよ♪

プロセスの時に見える風景 / 奈良さん / メゾチント

昨日は銅版画クラスでメゾチントという技法の目立てを行いました。初メゾチント。。!他の方々がやっているのを横目でいつも見ていて、やってみたいなあと思っていたのです。ちなみにメゾチントとは、銅板全体に傷をつけて写真の様に真っ黒の画面を作り(この工程が目立て&写真はインクを載せて刷った後のもの)、その上に描きたい絵を描いていきます。絵を描く際に目立ての時にできた傷がつぶされるのでその部分は白くなります。

まずは目立ての作業なのですが慣れない道具を使って長時間行っていた為、腕が超筋肉痛。。(泣)でも家帰って刷ったものを並べてみて変化があることにムフフ、となっていました。

私は作品の出来上がっていくプロセスを通っている時が一番好きかもしれません。また、他の作家さんの作品の裏側にあるプロセスを知るのが好きです。こんなに時間が掛かっていたのか、こんな出来事が起きたからこの様な表現方法に至ったのか、という事が知れると自分の感性が刺激を受けて更に違う視点を持つ事ができる。とかいう事を考えていたら奈良美智さんが以下の様な事をツイートしてました。

奈良さんの著書でちいさな星通信という、自身の生い立ちからドイツへの留学、様々な国での活動が綴ってある本があり、今でもたまに見返しています。日々や制作への葛藤がストレートに綴られていて、悔しい事があった時や行き詰った時、この本を枕元に置いて寝ていた若き日々があります。。(遠い目)奈良さんの作品から出ているあの深みとは、色んなプロセスを通った上で出てくる深みなんだろうなあと今更ながら納得しています。

何より、素材とコミュニケーションしながら少しずつ理解していく、ということを肌身で感じた時に嬉しさを感じるかもしれません。自分の事や日常を忘れ素材の事だけを考えている時に、なんだかすごく幸せを感じます。でも私は理解するのがすごく遅い方だと思います、残念ながら(笑)

そのプロセス自体が作品になることだってあるんですよね。すっとばさず、じっくりと身体に馴染ませていこうと思います。自戒を込めて。